- 2025.11.05
あなたのスマホは大丈夫?SIMスワップ詐欺の恐ろしい手口と今日からできる対策
「突然、携帯電話が使えなくなった」
「身に覚えのない引き落としがあった」
もし、そんな事態に遭ったとしたら、それは「SIMスワップ詐欺」かもしれません。
スマートフォンは今や私たちの生活の一部となっており、携帯電話番号と紐づいたSNSのアカウントや金融サービスはもはや命綱と言えます。
しかし、悪意ある第三者があなたの電話番号を乗っ取り、全財産を奪い去ろうとしていたらどうでしょうか?
この記事では、SIMスワップ詐欺が具体的にどのような手口で行われるのか、被害の兆候、今すぐ実践できる具体的な対策について解説します。
【この記事でわかること】
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目次
SIMスワップ詐欺とはどんな詐欺?
SIMスワップ詐欺は、携帯のSIMカード情報を不正に入手して、アクセス権や資金を奪う詐欺です。
別名、「SIMハイジャック」「SIMスワッピング」とも呼ばれており、海外では2020年から、日本国内でも2022年頃に確認されています。
SIMスワップ詐欺は、大きく分けて4つの流れで進んでいきます。
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その結果、被害者は多額の損失を失うことになってしまうという流れです。
SIMスワップ詐欺の5つの兆候
SIMスワップ詐欺は、気づいた時には手遅れになっているケースがほとんどです。
しかし、被害が拡大する前に、初期のいくつかの兆候を察知できれば、被害を最小限に食い止められる可能性が高まるでしょう。
ここでは、SIMスワップ詐欺の代表的な5つの徴候を紹介します。
①突然電話が利用できなくなる
これは、SIMスワップ詐欺の最初の兆候です。
電話が利用できなくなる理由は、犯罪者が携帯キャリアをだまして、あなたの電話番号と紐づいた新しいSIMカードを再発行したからです。
新しいSIMカードが有効化されると、あなたが元々使っていたSIMカードは即座に無効化されてしまいます。
それにより、
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などの不具合が生じます。
電話が使えない状態が数時間以上続く場合、単なる通信障害ではなく、不正にSIMカードを交換された可能性を疑うべきです。
②アカウントがロックされる
オンラインサービスや銀行口座、メールなどに突然アクセスできなくなった場合は、注意です。
あなたのSIMは、乗っ取られているかもしれません。
犯罪者は、乗っ取ったSIMの電話番号を使い、オンラインサービスのパスワードのリセットを試みたり、二要素認証を避けたりします。
その結果、あなたのアカウントはロックされ、アクセスできなくなっているという仕組みです。
もし、アカウントがロックされていると思ったら、あなたが加入している携帯キャリアに確認しましょう。
③怪しい通知が来る
「新しいデバイスでログインがありました」や「パスワード変更が申請されました」などの通知が、メールやSNSに届くことがあります。
これらの通知に身に覚えがない場合、それは犯罪者があなたのパスワードを盗み取ろうとしている証拠です。
これらの通知は無視せず、すぐにサービス提供元に連絡を取り、状況を確認することを最優先にしてください。
④SNSに自分が出していない投稿がされている
SIMカードが不正に利用された結果、あなたのSNSアカウントも乗っ取られている可能性があります。
犯罪者は、アカウントを乗っ取った後、すぐにあなたになりすまして詐欺的な内容を投稿し、あなたのフォロワーをだまそうとすることがあります。
例えば、「仮想通貨の投資で大儲けした」といった虚偽の情報を流し、フォロワーに偽の投資サイトへ誘導するといった手口です。
もし身に覚えのない投稿があったらば不正アクセスの証拠として記録を残しておきましょう。
⑤クレジットカードなどに身に覚えがない取引がされている
SIMスワップ詐欺の最終的な目的は、金銭を奪うことです。
電話番号を乗っ取られ、オンライン銀行やクレジットカード情報の紐づいたアカウントにアクセスされると、不正な送金や決済が行われます。
銀行の残高が急激に減っていたり、クレジットカード会社から高額な利用通知が届いたりした場合は、すでに金銭的被害が発生していることを意味します。
この段階に至ったら、すぐに利用停止の手続きをして警察に相談しましょう。
SIMスワップ詐欺の被害状況
SIMスワップ詐欺は、世界的に見ても被害が拡大している深刻なサイバー犯罪の一つです。
海外では、仮想通貨の企業や影響力のあるインフルエンサーなどが標的になるケースもあります。
彼らのアカウントから得られる金銭的利益や詐欺に利用できる社会的影響が大きいからです。
日本国内でも、数千万円規模の不正送金被害や地方議員を狙った攻撃が続発しています。
例えば、2024年4月には大阪府八尾市の市議会議員が被害に遭い、不正な決済や高額な物品を購入されるなどの被害が発生しました。
被害の件数や金額の大きさから、警察庁や金融庁などでは注意喚起を行っています。
SIMスワップ詐欺の4つの対策
SIMスワップ詐欺の手口は恐ろしいものですが、適切な知識と対策があれば、被害に遭うリスクを大きく減らすことができます。
ここではSIMスワップ詐欺の5つの対策を解説します。
①個人情報を安易にネットに公開しない
犯罪者は、あなたの個人情報がなければ、携帯キャリアをだましてSIMカードを不正に取得できません。
そのため、インターネット上での個人情報の公開は極力避けるべきです。
特に、SNSのプロフィール欄に生年月日や正確な住所を記載することは控えてください。
また、家族構成や子どもの名前といった、個人情報も公開しないようにしましょう。
過去の投稿も含めて、不必要に公開している情報がないか、今一度見直すことが、詐欺の被害を防ぐ第一歩です。
②フィッシングに気をつける
SIMスワップ詐欺の最初のステップは、個人情報の収集です。
この情報収集の主な手段の一つが、フィッシングです。
フィッシングは、銀行や有名なサービスを装った偽のメールやSMSを送りつけ、そこに記載されたURLをクリックさせて、ログイン情報や個人情報を入力させる手口です。
怪しいメールや通知が届いた場合は、記載されたURLを安易にクリックしないようにしましょう。
また、必ず公式サイトからログインして確認してください。
「今すぐ対応しないとアカウントが停止する」といった緊急性をあおるようなメッセージには、特に警戒が必要です。
③二段階認証を見直す(メールや電話番号での認証を避ける、SMS認証を避ける)
SIMスワップ詐欺が成功する最大の要因は、SMSを使った二段階認証の突破です。
電話番号が乗っ取られると、すべてのSMS認証コードが犯罪者の手に渡ってしまいます。
そのため、スマホのショートメッセージを利用して認証コードを送信するSMS認証は極力避けるべきです。
その代わりに、認証アプリ(例:Google Authenticator、Microsoft Authenticatorなど)を使った認証や物理的セキュリティキーなどの認証方式の強いものに切り替えるのがおすすめです。
これらの認証方式は、SIMカードの乗っ取りとは完全に切り離されているため、セキュリティを大幅に高められます。
携帯キャリアによっては、SIMカードの変更時に独自の暗証番号(PINコード)を求める設定ができる場合があります。
この設定は、SIMスワップを防ぐための有効な防御策の一つになるでしょう。
④パスワードを定期的に変更する
パスワードの変更は、SIMスワップ詐欺師にあなたの情報を渡さない最大のリスク管理となります。
定期的に変更して、SIMスワップ詐欺の被害を受けないようにしましょう。
また、パスワードを設定する際は、他のサービスで使い回さず、複雑なものを設定してください。
まとめ
今回は、SIMスワップ詐欺がどのような手口で行われるのかや被害の兆候、今すぐ実践できる具体的な対策について解説してきました。
SIMスワップ詐欺のポイント
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SIMスワップ詐欺は、私たちの資産を奪い去る卑劣な犯罪です。
今日からできる対策を一つずつ実践し、大切な資産を守りましょう。