- 2025.10.06
生活保護でスマホ二台持ちは可能?ぜいたく品とみなされる理由と一台持ちの賢い活用法

生活保護を受給している方から、
「スマホを二台持ちしたいけど大丈夫?」
「なぜ二台持ちがダメなの?」
といった疑問が多く寄せられています。
質問投稿サイトでも、「生活保護者は携帯2台持ちは絶対ダメですか?」「生活保護なのになんでスマホ料金を払えるんですか?」などの質問がたびたび投稿されています。
結論から言うと、生活保護受給者のスマホ二台持ちは原則として認められないケースがあります。
二台目のスマホは、ぜいたく品として扱われる可能性が高いからです。
しかし、一台のスマホでも工夫次第で十分快適に利用できるコツがあります。
本記事では、生活保護受給者が基本的にスマホを2台持ってはいけない理由や一台のスマホを最大限活用する方法、生活保護受給中のスマホ契約で注意すべき4つのポイントなどについて解説します。
生活保護受給者向けの格安SIMサービス5社も紹介しますよ。
目次
スマホ二台持ちは、ぜいたく品とみなされる可能性がある?その3つの理由
スマホの二台持ちはぜいたく品とみなされるため、基本的に禁止です。
この章では、スマホの二台持ちがぜいたく品と見なされる理由について、深掘りしてみたいと思います。
理由①生活保護法の基本原則に反するため
生活保護法は「健康で文化的な最低限度の生活を保障するとともに、自立を助長すること」が目的とされています。
この原則に基づけば、生活保護受給者が所有できるものは最低限必要な生活必需品に限られます。
現在、国民のスマートフォンの所有率は約97%で、れっきとした生活必需品と言えるでしょう。
しかし、二台目は「最低限の生活には必要ない」と判断されるのが一般的。
生活保護は国民の税金により成り立っており、公平と適正を保つためには受給者が所有できるものに一定の制限が設けられてしかるべきというわけです。
理由②生活扶助費の適正使用を確保するため
生活保護費は受給者の最低限度の生活を維持するために支給されており、その使い道には一定の制限があります。
スマホ二台持ちの場合、スマホ料金が月額数千円から数万円程に膨らむことが想定され、生活自体を圧迫してしまう可能性があります。
生活保護を受けている場合、通信費の支出増は、家計管理上の大きな問題と見なされてしまうからです。
生活扶助費から支出できるスマホ代に明確な上限は定められていませんが、格安SIMなどを利用することで月額3,000円~5,000円程度に抑えることが可能です。
(生活扶助とは?)
日常生活を営むうえで、基本的な需要を満たすものに対して与えられる支援金で、8つの扶助から構成されている 「食費や光熱費などの生活扶助」「家賃などの住宅扶助」「診療や薬などに必要な医療扶助」「介護に必要な介護扶助」「出産に必要な出産扶助」「義務教育で必要な教育扶助」「資格取得など就労に必要な生業扶助」「葬儀に必要な葬祭扶助」の8つの扶助からなる。 |
理由③自立支援の妨げとなる可能性があるため
生活保護制度の最終目標は受給者の経済的・社会的自立です。
スマホ二台持ちのような支出習慣は、自立に向けた計画的な生活管理能力を妨げる要因になる可能性があります。
例え、就職活動や資格取得のためにスマホが必要な場合でも、一台で十分対応可能です。
むしろ、限られた収入の中で優先順位を決めて生活することは、自立後の生活においては非常に重要なスキルとなるでしょう。
ケースワーカーは受給者が将来的に経済的な自立を達成できるよう、日常生活の指導から就労支援まで幅広くサポートしています。
その一環として、適切な消費行動の指導も行っています。
一台のスマホで工夫して生活する経験は、将来的な金銭管理能力の向上につながるはずです。
制限は決して受給者にとってマイナスではなく、むしろ自立への準備期間として前向きにとらえることができるでしょう。
一台のスマホを最大限活用する3つの方法
生活保護受給者が一台のスマホで料金を抑えて生活を少しでも楽にするためには、効率的なスマホの活用法を知ることが重要です。
ここでは、生活保護を受給する中で、スマホを上手に節約する方法を5つ解説します。
①無料Wi-Fiでデータ節約する
データ通信量を大幅に節約するためにも、外出先では全国の無料Wi-Fiスポットを積極的に活用しましょう。
現在、日本全国で約30万か所の無料Wi-Fiスポットが提供されています。
主要な無料Wi-Fiスポットを以下のとおりです。
コンビニ:
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カフェ:
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ファーストフード・ファミリーレストラン
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商業施設:
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公共施設:
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これらの施設では、アプリのダウンロード、OS更新、動画視聴などの大容量通信を行えます。
これにより、月間データ容量を大幅に節約できます。
ただし、公衆Wi-Fi利用時はセキュリティに注意し、個人情報の入力や重要な手続きは避けるようにしましょう。
銀行のオンラインバンキングやクレジットカード情報の入力などは、必ず自宅の安全なWi-Fi環境で行うことをおすすめします。
②スマートフォン設定の最適化
意図しないデータ消費を防ぐために、スマートフォンの設定を見直すことも重要です。
ここではAndroidとiPhoneの設定を見ていきます。
Android端末の設定
Androidのデータ消費量の節約には、独自の方法があります。
手順は以下の通りです。
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データセーバーは、バックグラウンドでのデータ通信を抑制する目的があるため、完全にデータを抑えることはできません。
確実な方法は、データの使用警告やデータの上限を設定する方法がおすすめです。
手順は以下の通りです。
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この方法なら、データ上限の目安がわかって便利ですよ。
iPhone端末の設定:
- iPhone端末の設定iPhoneでデータ消費を防ぐには、4つの方法があります。ただし、設定をオフにすることで不具合が生じるものもあるため、状況を見ながら設定をオフにしましょう。
【①バックグラウンド更新をオフにする方法】
- 設定→一般→アプリのバックグラウンド更新をタップ
- アプリのバックグラウンド更新をオフにする
【②iCloud DriveをOFFにする方法】
- 設定→ユーザー名→iCloudをタップ
- iClouddriveをオフにする
【③位置情報をオフにする】
- 設定→プライバシーとセキュリティ→位置情報サービスをタップ
- 位置情報サービスをオフにする
【④アプリの自動アップデートをオフにする】
- 設定→App Storeをタップする
- アプリのアップデートをオフにする
③格安SIMに切り替える
生活保護を受給している状況でスマホを持つなら、料金の見直しも検討の一つです。
大手キャリアのスマホは予想以上にお金がかかり、生活を圧迫することになりかねません。
そのような事態を避けたいなら、格安SIMサービスの利用がおすすめです。
格安SIMサービスは、大手キャリアでは月々7,000円〜10,000円ほどかかる料金が、格安SIMなら2,000円~3,000円ほどに抑えられますよ。
関連記事:大手キャリアからの乗り換えは簡単! 格安SIMへの乗り換え手順と失敗しないためのポイント
生活保護受給者向け格安SIMサービスのおすすめ5選
生活保護を受けている方がスマートフォンを契約する際は、審査の通りやすさと料金の安さを両立したサービスを選ぶことが肝心です。
ここでは生活保護受給者が契約しやすい格安SIMを5つ取り上げます。
①だれでもモバイル
「だれでもモバイル」は、審査なしで契約できる格安SIMサービスです。
支払い方法は、コンビニ払いや銀行口座払いの2種類のため、クレジットカードを持たない方でも安心。
3,300円から利用可能です。
②だれでもスマホ
「誰でもスマホ」も、スマホ審査が緩やかな格安SIMです。
月額2,948円(税込)から利用可能で、料金を抑えたい生活保護受給者に配慮した料金体系となっています。
生活保護証明書で契約できるのが、特徴。
24時間コンビニでの支払いが可能なため、生活保護費の支給日に合わせて支払いのタイミングを調整しやすいので助かりますよ。
③mineo
「mineo」は通常の審査がある格安SIMではあるものの、月額1,298円からと料金が安いのが特徴です。
「パケット放題Plus」というオプションを月額385円で追加すれば、最大1.5Mbpsの低速通信を使い放題にできるため、データ容量を気にせず利用できます。
10GB以上のプラン(1,958円~)では無料でこのサービスが付帯するため、データ使用量が多い方には経済的ですよ。
④サンシスコン
サンシスコンは、携帯ブラックや金融ブラックでも99%契約できる独自の審査基準を設けているレンタル携帯・格安SIMサービスです。
サービスの大きな特徴は、クレジットカードや銀行口座がなくても、銀行振り込みや口座振替、コンビニ決済などの支払いが可能という点。
全てのプランに24時間かけ放題が標準装備されており、通話料を気にせずに利用できるのもポイントです。
また、6カ月以上の利用でレンタル端末が自分名義に切り替わるシステムがあり、長期的な利用を考えている方にも適しています。
3,278円~の利用が可能です。
⑤あなたのモバイル
あなたのモバイルは、審査なしで自分名義のスマホが持てる格安SIMサービスです。
契約には銀行口座が必要ですが、クレジットカードは不要です。
サンシスコンと同様、全てのプランに24時間かけ放題が標準装備されているため、通話が多い方も安心です
また、契約期間の縛りや解約金がありません。
月額3,300円から利用可能です。
初期費用が安くなるキャンペーンもあるため、初期費用や利用開始時の負担を抑えたい方に特におすすめできます。
関連記事:格安SIMの速度制限完全ガイド~1Mbpsで快適に使える低速モード活用術~
生活保護受給中のスマホ契約で注意すべき4つのポイント
生活保護を受給している方が、スマホを契約し利用するにあたって注意点があります。
ここでは生活保護受給中のスマホ契約で注意すべき4つのポイントについて解説します。
①過去に滞納履歴があると契約審査に影響するので注意
携帯電話会社では、過去の支払い履歴をチェックし、一度でも滞納があると審査に通りにくくなります。
特に、信用情報機関に携帯の滞納や金融事故の情報が登録される、いわゆる「ブラックリスト」状態では、ほとんどの通信事業者で契約を断られる可能性が高くなります。
もし、生活保護を受給していてスマホ審査に不安がある方は、安定収入を前提としない審査なしのサービスを検討するのが現実的でしょう。
「だれでもモバイル」や「誰でもスマホ」などのサービスは、過去の信用情報ではなく、現在の支払い能力を重視する仕組みとなっているため、生活保護受給者にとって非常に貴重な選択肢です。
②料金支払いの滞納リスクに注意
支払い滞納による回線停止は、ケースワーカーとの緊急連絡が取れなくなるだけでなく信用情報にも悪影響を与えてしまうので注意です。
料金を2か月以上滞納すると通信サービスが強制解約となり、その記録は約5年間残り続けます。
その間は他の携帯電話会社でも契約が難しくなるので、注意してください。
このような事態を避けるためにも、家計簿アプリを活用して支出を記録してスマホ料金の支払い日を忘れないようアラーム設定をしておくことをおすすめします。
また、コンビニ払いや口座引き落としなど、確実に支払える方法を選択しましょう。
ただし、コンビニ払いを選択する場合は、支払い期限を過ぎないよう注意してくださいね。
生活保護費の支給日に合わせて支払いタイミングを設定できるサービスを選べば、より安心でしょう。
③高額なスマホを分割で購入する場合審査が厳しくなるので注意
高額なスマホを分割で購入する場合は、審査が厳しくなります。
特に、10万円を超える最新のiPhoneやAndroid端末は、厳しく信用情報を調査される対象です。
現在、生活保護受給中なら、審査が比較的ゆるい10万円以下のスマホを分割で購入するのが現実的でしょう。
中古端末市場では、数年前の高性能機種が新品の半額以下で購入できることも多くあります。
イオシスやじゃんぱらなどの中古スマホ専門店では、動作保証がついた端末を安心して購入できますよ。
④機種変更をする際には注意
生活保護受給中にスマホを機種変更することは可能です。
しかし、その際には、事前にケースワーカーに報告・相談しましょう。
スマホが高額な場合、支出は保護費の適正使用の観点から問題視される可能性があるからです。
特に、最新機種などは高額になりがちなので、生活扶助費の中から支払うのが適切かどうかの指導を受ける可能性があります。
もし審査に通ったとしても、生活保護費を返済に回すことは家計管理の指導対象となるため、必ずケースワーカーに相談してください。
生活保護受給者におすすめの格安SIM「だれでもモバイル」
生活保護受給者が安心してスマートフォンを利用できる格安SIMといえば、先述した「だれでもモバイル」もおすすめです。
だれでもモバイルは、従来の格安SIMでは契約が困難だった方でも利用しやすい4つの特徴があります。
①審査なし・クレジットカード不要の革新的システム
「だれでもモバイル」最大の特徴は、従来の信用情報審査を行わない独自のシステムです。
一般的な格安SIMや大手キャリアで契約を断られた経験がある方でも、ほぼ確実に契約できます。
契約に必要な者は、以下の通りです。
(契約に必要なもの)
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だれでもモバイルは、口座振替やコンビニ決済で契約できるため、クレジットカードや銀行口座がなくても登録できるのが特徴です。
契約手続きも非常に簡単。
入金後SIMカードが届けば、利用開始できます。
この手軽さは、さまざまな制約がある生活保護受給者にとって大きなメリットとなります。
過去に携帯料金を滞納した経験のある方や信用情報に不安がある方でも、新たなスタートを切れるでしょう。
②かけ放題で通話料金の心配なし
「だれでもモバイル」のすべての料金プランには、かけ放題サービスが付いています。
これは、生活保護受給者にとって非常に助かるポイントでしょう。
22円/30秒の音声通話料金が発生しますが、料金プランにかけ放題サービスが付いているので通話料が節約できるというわけです。(10分かけ放題と24時間かヶ放題あり)
例えば、以下のようなケースにも助かります。
(生活保護受給者にとって通話が多くなるシーン)
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③生活保護受給者に配慮した料金体系
「だれでもモバイル」の料金プランは、生活保護受給者の経済状況を十分考慮した設定です。
電話かけ放題+データSIMプランなら、24時間かけ放題を含む月額3,300円から利用できます。
以下の表で、各プランの詳細を確認してみましょう。
【電話10分かけ放題+データ通信SIM料金プラン】
ギガ数 | 月額基本料金 | 通話定額 |
1GB | 1,990円(税込) | 10分間かけ放題 |
3GB | 3,700円(税込) | |
5GB | 4,500円(税込) | |
10GB | 6,100円(税込) | |
20GB | 8,700円(税込) |
【電話かけ放題+データSIMプラン】
ギガ数 | 月額基本料金 | 通話定額 |
1GB | 3,300円(税込) | 通話定額かけ放題 |
3GB | 5,500円(税込) | |
5GB | 6,160円(税込) | |
7GB | 7,040円(税込) | |
10GB | 7,810円(税込) | |
20GB | 11,110円(税込) |
電話かけ放題+データSIMプランは、他の格安SIMよりやや高く感じられるかもしれません。
しかし、これは別途オプション料金が発生する「通話定額」料金が含まれた総額です。
生活費からスマホ代を捻出する受給者の方にとって、「料金が一定で安心」な仕組みこそが、生活受給者の方に取ってもっともメリットではないでしょうか。
今なら、初月利用料0円、事務手数料0円で、通常3,300円が実質無料になるキャンペーンも行っていますよ。
④ドコモ回線利用で全国どこでも安定通信
「だれでもモバイル」はNTTドコモの回線を利用しているため、全国どこでも安定した通信が可能です。
大手キャリア・ドコモのネットワークにより、都市部から山間部まで幅広いエリアで利用できます。
平均下り速度102.66Mbps、平均上り速度9.22Mbpsのデータ通信が可能で、音声通話品質もドコモと同等です。
生活保護受給者の中には地方在住の方も多いため、どこでも安定して利用できる通信品質は重要なポイント。
特に就職活動や医療機関受診で移動が多い場合、通信エリアの広さは大きなメリットとなるでしょう。
また、音声通話プランを利用している方は、緊急速報メール(エリアメール)にも対応しているため、災害時の安全確保にも役立ちます。
関連記事:【2025年最新】電波が良好で速い格安SIMランキング|料金・速度・利用目的別に
まとめ:一台のスマホで賢く生活保護生活を送ろう
生活保護受給者のスマートフォン二台持ちは原則として認められていません。
しかし、一台のスマホでも十分快適にスマホライフは送れます。
大切なのは、料金を抑えて上手に節約しつつ利用することです。
本記事の重要ポイントを以下の表にまとめました。
項目 | 重要なポイント | 具体的なアクション |
---|---|---|
制限される理由 | 生活保護法の原則、生活扶助費の適正使用、自立支援のため | 制度の趣旨を理解し、一台を賢く活用 |
おすすめサービス | だれでもモバイル、誰でもスマホなど審査が緩いサービス | 生活保護 スマホ審査が不安なら審査なしサービスを選択 |
データ節約法 | 無料Wi-Fi活用、設定最適化、動画品質を下げる | コンビニ・カフェ・図書館のWi-Fiを積極利用 |
料金管理 | 生活保護 スマホ料金の支払いは最優先、滞納は絶対に避ける | 家計簿で管理、支払い日のアラーム設定 |
機種変更・故障時 | 生活保護 スマホ 壊れた、生活保護 スマホ 機種変更は事前相談必須 | 中古SIMフリー端末の一括購入を検討 |
分割払いの注意 | 生活保護 携帯 分割払いは審査が厳しい | 10万円以下の端末か中古品を一括購入 |
スマートフォンは現代社会で自立を目指すために不可欠なツールです。
生活保護受給中でも、適切な使い方を身につければ、うまく料金を抑えることができます。
「だれでもモバイル」のような生活保護受給者に配慮したサービスを選択することで、審査の不安なく、安心してスマートフォンライフを楽しむことができます。
一台のスマホを賢く活用し、経済的自立への第一歩を踏み出しましょう。
もし、やむを得ぬ事情でスマホの機種変更や料金プランの大きな変更の際には、担当のケースワーカーに相談してみましょう。