- 2025.09.26
格安SIMの速度制限完全ガイド~1Mbpsで快適に使える低速モード活用術~

格安SIMを利用している方にとって、速度制限は避けて通れない問題の一つです。
しかし、データ容量を使い切ったときの制限速度や低速モードの活用方法を理解しておけば、月額料金を抑えながら快適に格安スマホを利用できるでしょう。
本記事では、格安SIMの速度制限の仕組み、速度制限を回避する方法、1Mbpsに速度制限されても使える格安SIMを紹介します。
目次
格安SIMの速度制限とは何か?
格安SIMの速度制限とは、契約しているデータ容量を使い切った際に通信速度が低速に制限される仕組みのことです。
制限後の速度は各社で異なり、128kbpsから1Mbpsまで幅広く設定されています。
速度制限が発生する理由は、ネットワーク設備の負荷を軽減するためです。
すべてのユーザーが無制限に高速通信を利用すると、回線が混雑してサービス品質の維持が困難になってしまいます。
そのため、データ容量を超過したユーザーに制限をかけることで、全体の通信品質を保っているのです。
制限は通常、翌月1日に自動的に解除されますが、追加データを購入することで即座の解除も可能です。
速度制限の種類と特徴
速度制限には主に2つのパターンがあります。
データ容量超過による制限と任意で切り替える低速モードです。
データ容量超過による制限は、契約プランの月間データ量を使い切った際に自動的に発生します。
制限速度は格安SIM各社で異なり、最も遅いもので128kbps、速いもので1Mbpsまで設定されています。
一方、低速モードは自分の意思で高速通信を低速に切り替える機能です。低速モード中はデータ容量が消費されないため、容量を節約して月額料金を抑えられます。
低速モードの利点は、データ使用量をコントロールできることです。
例えば、月末近くでデータ残量が少なくなった際に、低速モードに切り替えることで速度制限を回避できます。
また、メールやSNSなど軽い用途であれば、低速モードでも十分に利用可能です。
ただし、すべての格安SIMが低速モード機能を提供しているわけではないため、契約前の確認しておきましょう。
速度制限時の基準は、Kbps
制限速度によって、利用可能な格安SIMサービスは大きく変わります。
この速度別の目安を理解しておけば、自分に適した格安SIMを選択できるはずです。
その基準となるのが、kbps(1秒間に転送できるデータ容量)です。
例えば、128kbpsでは、テキスト中心のやり取りのみが可能です。
LINEやメールなどのメッセージの送受信は問題ありませんが、画像や動画の読み込みは非常に時間がかかります。
200kbpsになると、LINEのメッセージのやり取りや通話、Webサイトの閲覧やラジオ視聴、SNSの利用がかろうじて可能です。
ただし、画像が多いサイトでは読み込みに時間を要したり、動画では途切れ途切れになったりします。
また、300kbpsでは、低画質での動画視聴や音楽ストリーミングサービスを利用できますが、画像や動画の読み込みに時間がかかりやや速度が遅く感じられるのがデメリット。
YouTubeの最低画質を(144p)に設定すれば、数十秒かかって視聴できるレベルです。
1Mbpsまであれば、標準画質での動画視聴(480P)やWeb会議への参加も問題なく行えるでしょう。
しかし、720Pの高画質になると、数分に1回止まります。
つまり、日常的なインターネットや動画視聴なら、1Mbpsあれば十分快適に使用できるというわけです。
速度 | 利用可能サービス | 制限される動作 |
---|---|---|
128kbps | テキストメール、LINE文字メッセージ | 画像や動画の読み込み |
200kbps | LINEのメッセージのやり取りや通話、Webサイトの閲覧やラジオ視聴、SNSの利用 | ・画像が多いサイトの読み込みに時間がかかる ・動画視聴が途切れ途切れになる |
300kbps | 対画質の動画視聴、音楽ストリーミングサービス | 画像や動画の読み込みに時間がかかる。(YouTubeなら最低画質に設定すればかろうじて見られる |
1Mbps | YouTubeの標準動画(480P)視聴やWeb会議への参加 | 720Pの高画質動画は数分に1回止まる |
1Mbpsに速度制限されても使える格安SIMおすすめ3選
スマホで通信制限がかかっても、1Mbpsあれば問題なく利用できます。
低速モード機能がある場合は、任意のタイミングで1Mbps通信に切り替えることで、データ容量を節約しながら必要な通信を行えます。
ここでは、1Mbps(またはそれ以上)の速度制限に対応した格安SIM3社を紹介します
①ahamo:ドコモ品質で安定した1Mbps通信
ahamoは、NTTドコモの格安SIMサービスです。
ドコモと同じ回線を使用しているところが、最大の特徴。
料金体系は以下の通りです。
格安SIM | 月額基本料金(音声電話+データ通信) |
---|---|
ahamo | 30GB 税込2,970円(5分間通話料無料税込)
110GB 4,950円 |
ahamoでは、通信速度が毎月の上限を超えると、最大1Mbpsに速度制限されます。
しかし、1Mbpsあるので速度が制限されていてもLINEやメールなどのやり取りやSNSやビデオ通話などを影響なく利用できますよ。
ただし、時間帯によっては回線が集中して速度が低下するケースがあることは覚えておいてください。
もし、速度制限で不便になっても、追加データを1GBあたり550円で購入できるため、必要に応じてデータ通信量の追加も可能ですよ。
②LINEMO:LINEギガフリーで通信制限知らず
LINEMOは、ソフトバンクが提供する格安SIMです。
LINEアプリのデータ消費がゼロになる「LINEギガフリー」が最大の特徴です。
料金体系は以下の通りです。
格安SIM | 月額基本料金(音声電話+データ通信) |
---|---|
LINEMO | LINEMOベストプラン ~3GB990円(税込)10GB:2,090円(税込)LINEMOベストプランV 30GB:2,970円(税込) |
ただし、LINEMOの速度制限後のデータ容量は、プランによって異なります。
具体的な通信速度は、以下の通りです。
|
LINEMOの通信速度が制限されても1Mbpsの容量が使えるのは、「LINEMOベストプランV」(30〜45GB)です。
この通信速度なら、画質は下がるものの、低画質ならば問題なく動画を見ることもできるでしょう。
LINEMOベストプラン(10〜15GB)の通信速度制限は、300kbps。
この速度では、WebサイトやSNSの動作の読み込みが遅くなります。
LINEMOベストプランV (45GB超)の場合の通信速度制限は最大128Mbpsで、メールや通話などの最低限の利用しかできなくなります。
しかし、LINEMOどのプランでも、LINEアプリでの通話・メッセージ・ビデオ通話はデータ消費の対象外となるため、LINEでのやり取りや電話は可能ですよ。
これにより、LINEの実質的なデータ使用量を大幅に削減できるというわけです。
結論、通信制限されても1Mbpsの通信容量が使えるLINEMOベストプランV(30GB)の利用がおすすめです。
③mineo:パケット放題Plusで1.5Mbps使い放題
mineoは、関西電力グループが提供する格安SIMです。
通信制限がかかると200kbpsの低速通信に切り替わりますが、「パケット放題Plus」オプション(月額385円)を追加すれば、最大1.5Mbpsの低速通信を利用できるのが特徴。(最大6カ月)
10GB以上のプランでは無料で1.5Mbpsの低速通信が使い放題になります。
インターネットやSNS、標準画質のYouTube動画やzoomなどのビデオ会議もストレスなく使えるようになります。
3つのキャリア回線(ドコモ・au・ソフトバンク)から選択でき、現在の端末をそのまま利用しやすい点も魅力です。
mineoでは、「マイそく」という低速特化プランも提供しており、最大1.5Mbpsで月額990円の格安料金を実現。
データ使用量より料金の安さを重視し、低速通信をメインに利用したい方におすすめです。
また、mineoでは、ユーザー同士でデータ容量をシェアできる「フリータンク」で、足りない通信料をカバーできます。
アプリのレビューや情報交換ができる「マイネ王」でmineoユーザーに質問もできるので、もし困った時には質問してみてもいいですね。
格安SIM | 低速モード時の速度 | 切り替え方法 | バースト転送(※1) | 月額基本料金(音声電話+データ通信) |
---|---|---|---|---|
mineo | 1.5Mbps(※2) | 専用アプリ | あり | 1GB:1298円(税込)
5GB:1,518円(税込) 10GB:1,958円(税込) 20GB:21,78円(税込) 50GB:2,948円(税込) |
※1低速モードの通信読み取り時に、一定量の高速データ通信をしてくれる機能
※2パケット放題Plus加入時
【実践】速度制限を気にしないで格安SIMを利用したい!今すぐできる3つの回避術
格安SIMの速度制限を回避するためには、日頃のデータ使用量管理と効率的な通信方法を知っておくことが重要。
複数の対策を組み合わせることで、月末まで快適に利用できますよ。
ここでは、格安SIMの速度制限を回避するための3つの方法について解説します。
① Wi-Fi環境を最大限に活かす
Wi-Fi環境を最大限活用することは、モバイルデータの使用量削減の最も効果的な方法です。
自宅でのWi-Fi設定は、基本中の基本。
動画視聴、アプリのダウンロード、OSアップデートなどの大容量通信はすべてWi-Fi経由で行いましょう。
自宅以外でも、多くのWi-Fiに接続する機会があります。
職場にWi-Fi環境がある場合は、積極的に活用することでランチタイムのSNS利用やニュース閲覧時のデータ使用料の削減になりますよ。
そのほか、コンビニエンスストア、カフェ、駅、空港など、多くの施設でフリーWi-Fiが提供されています。
ただし、外出先でのWi-Fi利用時は、セキュリティに注意してください。
暗号化されていない公衆Wi-Fiでは、個人情報の入力は避け、一般的なWebサイト閲覧に留めるのがおすすめです。
②アプリとシステム設定を最適化をしておく
スマートフォンの設定を最適化しておくことで意図しないデータ消費を防ぎ、必要な通信のみに限定できます。
アプリの自動更新設定は、必ず「Wi-Fi接続時のみ」に変更してください。
Google PlayストアやApp Storeから簡単に変更でき、モバイルデータでの大容量ダウンロードを防げますよ。
OSの自動バックアップ機能も、大容量データを消費する原因の一つです。
iPhoneのiCloudバックアップやAndroidのGoogleバックアップは、Wi-Fi接続時のみに設定変更しておくことをおすすめします。
これらの設定変更により、普段の利用では気づかない大容量データ通信を防ぎ、必要な通信により多くのデータ容量を確保できます。
③動画・音楽コンテンツの賢い利用法
動画や音楽コンテンツは大容量のデータを消費するため、視聴方法を工夫することで大幅なデータ節約になります。
YouTubeやNetflixなどの動画サービスでは、画質設定を下げることでデータ使用量を削減できます。
YouTubeの場合、高画質1080Pや720p(HD)から480p(標準画質)に下げるだけで、データ使用量は約半分になります。
また、多くの動画配信サービス(アマゾンプライムやNetflix)では、Wi-Fi環境でのダウンロード機能を提供。
自宅や職場のWi-Fi環境で事前にダウンロードしておけば、外出先でモバイルデータを消費することなく視聴できますよ。
音楽ストリーミングサービスでも同様の工夫が可能です。
SpotifyやApple Musicでは、音質設定を「標準」や「低」に設定することでデータ使用量を抑えられます。
よく聞くプレイリストやアルバムは事前にダウンロードしておけば、通勤時間などの移動中でもデータを消費せずに音楽を楽しめます。
これらの準備により、エンターテインメントを楽しみながらもデータ使用量を効果的にコントロールできるのです。
まとめ:格安SIMの速度制限と上手に付き合う方法
格安SIMの速度制限は、理解して適切に対策すれば決して恐れるものではありません。
制限速度に応じた使い分けとデータ節約の工夫により、月額料金を抑えながら快適にスマートフォンを利用できます。
大切なのは、データ使用量を常に意識して状況に応じて賢く通信方法を切り替えることです。
以下のポイントを押さえることで、格安SIMのメリットを最大限に活かしながら、速度制限のストレスを減らすことができるでしょう。
ポイント | 具体的なアクション |
---|---|
速度制限の特性を知る | 1Mbpsあれば、YouTubeの標準画質動画やWeb会議も問題なく利用可能。低速モード時でも、SNSや音楽ストリーミングは問題なく利用できる。 |
Wi-Fiを最大限活用する | 自宅や職場、カフェなどのWi-Fiに接続し、モバイルデータの使用を抑える。大容量のアップデートやダウンロードはWi-Fi環境で行うのが基本。 |
アプリの設定を見直す | アプリの自動更新やクラウドへの自動バックアップは「Wi-Fi接続時のみ」に設定する。意図しないデータ消費を防げる。 |
コンテンツを賢く利用する | 動画は画質を下げる、音楽は音質を標準に設定する、事前にWi-Fiでダウンロードしておくなどの工夫をする。 |
低速モードを使いこなす | 高速通信が不要なシーンでは、手動で低速モードに切り替えることで月末のデータ不足を回避できる。 |
格安SIMの速度制限は、通信費を抑えるための賢いツールです。
ご自身の使い方に合った格安SIMを選び賢く付き合っていくことで、家計にやさしくストレスの少ない快適なスマホライフが送れるでしょう。
今回の内容を参考に、自分の利用パターンに適した格安SIMを選んでみてくださいね。
そして、通信費の大幅な節約を実現しましょう。