- 2026.09.17
モバイルバッテリーはなぜ発火する?原因・対策・もしもの時の対処法まで解説
「私の使ってるモバイルバッテリー、大丈夫かな」
SNSやニュースでモバイルバッテリーの発火事故の報道を見るたびに、そんな不安がよぎる方は多いのではないでしょうか。
「出先や家の中で発火して自分だけでなく周りの人にまで迷惑をかけてしまったら」と考えると心配は尽きませんよね。
特に小さなお子さんやペットがいるご家庭では、その不安はより大きくなるはずです。
「対策と言っても、どうせ高い商品を買わされるんでしょ」
「専門的な話は難しそう」
そのように感じている方もいるかもしれません。
そこで今回は、モバイルバッテリーが発火する主な原因や正しい管理方法、発火を防止するグッズなどを紹介します。
目次
モバイルバッテリーの発火件数

総務省の発表によれば、令和7年(2025年)に発生したリチウムイオン電池などの発火件数は1,297件です。
令和6年(2024年)には982件でしたが、昨年は1,000件を超えています。
製品別火災件数で見ると、モバイルバッテリーが482件で令和6年の290件から約7割増となっています。
参考:総務省消防庁リチウムイオン電池等から出火した火災の調査結果の公表(令和7年)
事故の発生件数は気温の上昇とともに増加する傾向があり、6月から8月にかけてピークを迎えます。
独立行政法人製品評価技術基盤機構NITEによると、リチウムイオン電池が高温環境にさらされることで電池内部の温度が上昇し、異常発熱や発火のリスクが高まるためとしています。
経済産業省ではモバイルバッテリーの発火事故を防ぐべく、今年の8月31日に第三者機関による安全検査を義務化する方針を決定。
2027年2月までに電気用品安全法の政省令を公布し、同年3月の施行を目指すとしました。
この決定からも、モバイルバッテリーの発火は決して他人事ではない事故であることは明らかです。
次の章からは、モバイルバッテリーが発火する具体的な原因と対策を見ていきましょう。
モバイルバッテリーが発火する4つの主な原因

ここでは、モバイルバッテリーが発火につながる代表的な4つの原因と、それぞれを防ぐためのポイントを解説します。
①過充電・過放電による内部劣化
モバイルバッテリーが満充電の状態を長時間放置したり、電池残量がゼロに近い状態で放置したりしていると、内部の劣化が進みやすくなります。
劣化が進むと内部でショートが起きやすくなり、発火につながるケースがあります。
【防ぐには?】
「充電が完了したら早めに電源から外す」「残量ゼロのまま長期間放置しない」「充電しながら使用しない」など、使い方を見直すだけで対策できます。
②外部からの衝撃・圧迫による破損
落下や踏みつけ、カバンの中で重い物に挟まれるといった衝撃・圧迫は、バッテリー内部の構造を傷つける原因になります。
内部の部品が変形すると、そこからショートして発熱や発火につながりかねません。
見た目に傷や凹みがなくても、強い衝撃を受けた後は内部で損傷している可能性があるため、注意してよく見ておきましょう。
【防ぐには?】
「カバンの中で重い物の下に詰め込まない」「床に落とさないよう持ち運び方を工夫する」など気をつけるだけでも、破損リスクはかなり下げられます。
③高温環境での保管・使用
車内や炎天下など高温になる場所での保管・使用は、バッテリー内部の化学反応を不安定にし、発火リスクを高めます。
特に夏場の車内温度は60℃を超えることもあり、モバイルバッテリーの推奨保管温度を大きく上回ります。
【防ぐには?】
直射日光の当たらない場所、室温が安定した場所で保管するだけで対策になります。
置き場所を見直すだけなので、費用はかかりませんよ。
④粗悪品・非対応製品の使用
インターネットで販売しているPSEマークのない製品や安全基準を満たしていない粗悪品は、内部の保護回路が不十分な場合があります。
過充電や過放電を防ぐ保護機能が備わっていないと、通常の使用でも発火リスクが高まるからです。
【防ぐには?】
新たに購入する際は、価格の安さだけで選ばず、PSEマークの有無や信頼できるメーカーかどうかを確認しましょう。
モバイルバッテリーの正しい5つの知識

正しい情報を知らないまま、漠然と不安ばかり抱えていてもいけません。モバイルバッテリーが発火せずに済む備えが大事です。
ここでは、モバイルバッテリーの扱いに関する5つの正しい知識について解説します。
①モバイルバッテリーが正規品かどうかは、PSEマークの有無でわかる
ニュースで報じられる発火事故は、型番やメーカーまで詳しく伝えられないことがほとんどです。
そのため「自分のバッテリーも危ないのでは?」という不安だけが独り歩きしてしまいます。
確認方法は簡単です。
バッテリー本体にPSEマークが表示されているか、購入時の型番が製造元の公式サイトに掲載されているかをチェックするだけです。
一般的なPSEマークは、丸の中にPSEの表記がされているものが、安全性の高いモバイルバッテリーとされています。
対して、ひし形のマークの中にPSEのマークが付いているものもあります。
この型のものは、正規品ではないので注意しましょう。

まずは手元のバッテリーを一度確認してみてください。
②発火の予兆を知る
発火したら怖いということはわかるものの、実際にどのような状況になると危険な状態なのか、具体的にイメージできている方は多くありません。
目安としては、充電中に妙に熱くなっていたり、バッテリー本体が平らな面に置いたときにガタつくほど膨らんでいたりする場合は、使用を中止すべき状態です。
また、「変形している」「焦げ臭い」「異音がする」なども危険なサインです。
③バッテリーの劣化状況を数値で知る
「今まで何も起きなかったから大丈夫」という油断は禁物です。
一般的にモバイルバッテリーは、充電回数が300〜500回を超えたあたりから劣化が進みやすくなるといわれていますが、使用状況によっても変わってきます。
劣化状態を数値で把握したい場合は、残量・劣化状態が表示できる高機能モバイルバッテリーへの買い替えも検討しましょう。
今では、充電回数を確認できるモデルもあり、「なんとなく大丈夫」ではなく客観的な数値で安全性を判断できるようになりました。
④高温環境での保管はNG!
車内や炎天下にモバイルバッテリーを放置するのは、危険です。
真夏の車内温度は、60℃を超えることもあり、モバイルバッテリーの推奨保管温度(0℃〜20℃程度)を大きく超えてしまいます。
高温環境は劣化を早めたり発火の原因になったりするので、今後は日陰や室内での保管を心がけましょう。
⑤水気や湿気に注意!
モバイルバッテリーは内部に水が侵入すると、乾かした後も回路基板に不純物が残り、放置するだけでショートや発熱・出火につながることがあります。
雨の日に、屋外で使用するのも避けましょう。
「リュックやバックに入れておけば、濡れないから大丈夫だろう」と、モバイルバッテリーを入れっぱなしにするのは禁物です。
大雨の際にバックやリュックに雨が染みこみ、思わず濡れてしまったというケースもあるからです。
持ち運ぶなら、防水ケースに入れて持ち運ぶのがおすすめです。
また、梅雨時や夏場は室内外の気温差でバッグの中でも結露が起こり、見た目にはわからない湿気が発生することがあります。
湿気がない場所に保管するとともに、防水ケースの中に乾燥剤を入れて保管するのがおすすめです。
モバイルバッテリーの管理方法

ここでは、モバイルバッテリーの発火を避ける管理方法について解説します。
①就寝中・外出中の管理方法
就寝中や外出中のような「自分で異変に気づきづらい時間帯」のモバイルバッテリーの発火を防ぐには、耐火ケースを使うのがおすすめです。
耐火ケースは、万が一の発熱・発火時にも延焼を抑えられる素材です。
就寝時は枕元ではなく耐熱トレイの上に置いておくといった工夫と組み合わせると、より安心して充電できます。
②子どもやペットがいる家庭での管理方法
小さな子どもやペットがいるご家庭でも、発火リスクを意識した保管が必要です。
子どもが充電中のケーブルを引っ張って本体を落としたり、ペットが本体やケーブルをかじったりすると、外装や内部の基板が傷つき、そこから発火につながることがあります。
このような破損を防ぐためにも、子どもやペットの手が届かない高い場所に保管しましょう。
具体的には、棚の上など、目が届きやすく風通しのよい場所に置くのがおすすめです。
充電中もケーブルごと手の届かない位置に配線し、ペットがかじる習慣がある場合はケーブル保護チューブを併用すると安心です。
モバイルバッテリー買い換えのタイミングや粗悪品の見分け方

ここでは、モバイルバッテリーの買い替えのタイミングや粗悪品の見分け方について解説します。
①モバイルバッテリーの買い替えタイミング
モバイルバッテリーの買い替えの目安は、購入から2〜3年またはフル充電回数が300〜500回程度とされています。
ただし、これはあくまで目安であり、使用頻度が高いほど劣化のペースは早まります。
毎日のように使っている場合は、目安より早いタイミングで劣化のサインが出ることもあるため、年数だけでなく本体の状態も確認しておくと安心です。
本体の膨らみや異常な発熱があれば、年数に関係なくすぐに使用を中止してください。
②粗悪品の見分け方
モバイルのバッテリーの中には粗悪品もあるので、そのような商品を購入しないようにすることも大事です。
フリマアプリなどで型番が不明なまま購入した製品は、特に注意が必要です。
経済産業省や製品評価技術基盤機構(NITE)では、リコール対象製品の型番を公表しています。
本体に記載されている型番を控えておき、定期的に公式サイトで照らし合わせる習慣をつけると、対象製品かどうか判断できます。
モバイルバッテリーの発火を防止するグッズを3つ紹介

モバイルバッテリーの膨らみや異常な熱を感じた際にすぐ対処できるよう、発火防止ポーチを活用するのは方法の一つです。
ここでは、これまで紹介してきた対策を踏まえ、実際に販売されている代表的な商品を紹介します。
①サンワサプライ「難燃ポーチ IN-FP1BK」
サンワサプライの「難燃ポーチ IN-FP1BK」(2,640円・税込)は、難燃素材を使ったスリムタイプのポーチです。
外部にシリコンコーティング、内部にアルミコーティングの二層構造の難燃素材(燃える加工をした難燃繊維)を採用しています。
外部のシリコンコーティングは、雨や水滴から中身を守ってくれる構造。
サイズは、Sとカバンの中でもかさばりにくいのが特徴です。
外出時のバックの中の発火や自宅や夜間の保管時に、最適です。
②Anker Style Pouch
Anker Style Pouch(4,990円・税込)はモバイルバッテリーだけでなく、さまざまなガジェットを一つに収納できるタイプのポーチです。
国際的な難燃性規格「UL 94 V-0」や国内の燃焼性試験に適合した素材を採用し、発火しても燃えにくい設計となっています。
レビューでは、「収納性がよい」「レザー素材の質感が良い」とのコメントが見られます。
③山崎実業 公式 ウォールモバイル充電&収納ラック タワー
子どもがイタズラしたり、ペットが充電ケーブルをしたりする習慣がある家庭には、山崎実業 公式 ウォールモバイル充電&収納ラック タワー(2,420・税込)がおすすめです。
3段構造のラックになっており、モバイルバッテリーだけでなく、スマホやめがねを置くなど、幅広い使い方ができて便利です。(石膏ボード壁対応)
高さも好みの高さに取り付けられるので、子どもやペットの手の届かないところに設置することができますよ。
ウォールモバイル充電&収納ラック タワー 3段 石こうボード壁対応
モバイルバッテリーに異変が起きた時の対処法

ここでは、モバイルバッテリーに異変が起きた時の対処法について解説します。
①モバイルバッテリーに膨らみや異常な発熱が見られた場合の対処法
モバイルバッテリーに膨らみや異常な発熱などが見られた場合の正しい処分方法について、解説します。
異常が見られるモバイルバッテリー(膨張や液漏れ)は、通常の家庭ごみとして捨てたり回収ボックスに投入したりすることはできません。
圧迫や衝撃で、簡単に発火や爆発の危険性があるからです。
もし、このような状態を確認できた場合は、購入した家電量販店や自治体の専用窓口、専門業者などに問い合わせてください。
②モバイルバッテリーが発火してしまった場合の対処法
もし、モバイルバッテリーが発火してしまったらどのように対処したらよいでしょうか?
東京消防庁によれば、火災が起きたら以下のように対応するように記しています。
| ・火災発生時に火花や煙が噴出している場合は近寄らない ・火花や煙厘お勢いが収まったら大量の水や消火器で消火する ・大量の水で温度を十分に下げて、安全に注意しながらバケツなどに水没させる |
まとめ
今回は、モバイルバッテリーが発火する主な原因や正しい管理方法、発火を防止するグッズなどを紹介してきました。
| ・令和7年のリチウムイオン電池関連の火災は1,297件と、過去もっとも多い件数 ・モバイルバッテリーが発火する原因は、内部劣化や外部からの衝撃、高温での保管・使用、粗悪品や非対応製品などが挙げられる ・モバイルバッテリー発火を防ぐには、正しい知識を持ってから購入・利用することが大切 ・もし、不安ならモバイルバッテリーの発火を防止するグッズも活用(ただし、あくまで補助的な役割。基本は、正しい使い方と保管方法を知る) |
モバイルバッテリーが発火する不安は、原因と正しい知識を知り、日々の使い方を少し見直すだけでかなり解消できます。
そのうえで、耐火ケースや収納ラックといった対策グッズを取り入れれば、家族みんなが安心してモバイルバッテリーを使い続けられるはずです。
モバイルバッテリーの予期せぬ発火を防いで、快適なスマホライフを送りましょう。
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